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地球時代の教育

最近、テレビ、新聞、雑誌などで「グローバル」という言葉を目にしたり耳にしたりしたことはありませんか。
政治、経済、文化などあらゆる領域で、地球全体を視野に入れた活動が、必要不可欠になってきました。
21世紀はまさに本格的な地球時代の幕開けであるといっても過言ではないでしょう。
グローバル教育は、こうした時代の要請にこたえる新しい教育の探究が、世界各地で始まっています。
ここでは、グローバル教育が地球時代の教育として、どのような特徴を持っているのかをみていくことにしましょう。

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様変わりする世界への対応

「世界は国家の集合体である」という考え方があります。 確かに地図帳を開いて世界地図をみると、色分けされた国々が集まって、世界を形作っていることがわかります。 しかし地球時代といわれる現代、このように「国家」を基本に世界を把握する見方は、大きく揺らぎ始めています。 それには、次のような世界の変化が深く関わっています(2)

世界のボーダレス化

まず、「地球の、世界的な」という意味は、文字通りグローバル教育が地球的視野にたって、世界を探求する教育であることを示しています。 既に述べたように、わたしたちは現在、一国の力では解決不可能な地球規模の問題に直面しています。 こうした地球規模の問題に対しては、地球的視野から、すなわち「国益」(national interest)を越えた「地球益」(global interest)という新しい視点が必要となります。

地球規模の問題の出現

2つめとして、一国の力ではどうにもならない問題が出現しています。 私たちは今、地球温暖化、オゾン層の破壊などの環境問題をはじめとして、 民族紛争、核の脅威、南北間の経済格差、性?人種差別など、様々な地球規模の問題に直面しています。 このような問題は、どんなに強力な国家をもってしても、一国の力で解決できるものではありません。 問題を解決するためには、これまでのように各国が国益だけを追求することは許されなくなっています。 地球社会が持続的に発展していくためにも、地球益に配慮した活動がどうしも欠かせないのです。


「国益」から「地球益」へ

「国益」から「地球益」へ

まとめ

グローバル教育とは、このような世界の変化に対応し、より公正な地球社会の実現をめざす教育だと言うことができます。 別な言葉で言いかえれば、地球時代に地球市民として「生きる力」を育む教育だと言ってもいいでしょう。
それは、これまでの教育に変革を求める、新しいパラダイムの教育なのです。

2.さらに詳しくは、箕浦 康子「序章―グローバリゼーションと教育」『地球市民を育てる教育』岩波書店、1997年、pp. 2-11を参照のこと。

新しいパラダイムの教育 - 五つのキーワード

では、地球市民の育成を目指す教育とはどのような教育なのでしょうか。 また新しいパラダイムの教育とは、従来の教育とどのような面で異なっているのでしょうか。

アメリカ、イギリス、カナダ、日本など世界各国で多くの研究者が、地球時代に対応する新しい教育の必要性を訴えてきました。
そして、それぞれに独自なグローバル教育論を展開しています。 しかし彼らの多様な主張にも、共通するキーワードをいくつか見いだすことができます。
ここでは、その中からグローバル教育を最もよく特徴づけると思われるものを五つ選んで、簡潔に説明をしてみることにしましょう(3)
従来の教育との相違に注目して、まずはグローバル教育の特徴を概観してください。


【五つのキーワード】
五つのキーワード

「つながり」を意識する

これまでの教育は「細分化するものの見方」(compartmentalization)を基礎においてきました。 そのため教育内容や学びのプロセスは細分化され、バラバラに別々なものとして取り扱われてきたのです。 しかしこのようなものの見方は、様々な要素が複雑にからみ合う現実の世界ではほとんど役に立ちません。 グローバル教育は、こうしたものの見方の反省にたって、ものごとの全体的な「つながり」をとらえようとします。

たとえば、ローカル(地域)とグローバル(地球)といった空間的なつながり、 過去?現在?未来といった時間的なつながり、 環境?人権?平和?開発などの諸問題のつながり、 さらには、認識?感情?精神?身体などの個人の内面におけるつながりなど、 様々なレベルで、ものごとのつながりをダイナミックに意識するのです。 バラバラに細分化して分析するのではなく、つながりを考え統合?総合していくことこそが、グローバル教育を最もよく特徴づけるものであると言うことができます。

「ちがい」を尊重する

これまでの教育は、どのくらい「ちがい」を大切にしてきたでしょう。 私たちはちがいを恐れずちがいを受け入れる力を十分に身につけてきたでしょうか。 グローバル教育は、多様な価値観をもつ世界中の人々と共生することを目標にしています。 ですから、自分の価値観が必ずしも普遍的ではないことを理解し、自分とは異なるものの見方を尊重することが目指されます。

また学びの場においても、それぞれのちがいを大切にしています。 様々な活動を通して、たくさんの意見が引き出され、参加者相互の学び合いが奨励されます。 こうした多方向的な学びを通して、参加者一人ひとりがちがいから始まる豊かな学びの可能性を体験していくのです。 いじめに代表されるように現代を生きる子どもたちの関係は危うく、異なる者を仲間外れにしていく現状があります。 ちがいを極端に恐れると同時に、ちがいを許容できていないでいるのです。こうした現状を変えていくことも、グローバル教育の大きな課題の一つです。

「未来」を展望する

これまでの教育は主に「過去」へ目を向けてきました。 過去の事実や蓄積された知識を子どもたちに伝えていくことが教育の一番の仕事でした。 その重要性はこれからも決して変わることはないでしょう。 しかし一方で、教育は子どもたちの将来のためにあるなどといわれながら、実際の教育の場で「未来」を扱う学習は、ほとんど行われてきませんでした。

今私たちが暮らす世界は、急速に変化する世界です。 国際化?情報化社会の到来、悪化する環境問題、高齢化?少子化の問題など、私たちが直面する様々な問題には、唯一絶対の正解などありえません。 10年先の未来を予想することさえ困難な不確実な世界に、私たちは生きているのです。

グローバル教育は、過去-現在-未来のつながりを考慮し、その上で未来を見つめることも大切にしています。 私たちに選択可能な様々な未来をイメージすることを通して、より望ましい未来の地球社会を展望します。 また正解が用意されていない未来の学習は、教える側と学ぶ側の垣根を越えた新しい学習のあり方を提供することにもなるでしょう。

「プロセス」を重視する

これまでの教育は答を○×式で判断する結果重視の学習でした。 しかしグローバル教育は、「学習を終わりのない旅のようなものだ」と考えています。 現時点での到達点は、いずれ乗り越えられるということを常に意識しています。 これから紹介するグローバル教育の考え方自体も例外ではありえません。 時代や社会的条件が変化するのですから、私たちが目指す教育もまた変化し続けるはずです。

また「プロセス」を重視するという点では、グローバル教育は学び方重視の学習でもあります。 これまでの伝統的学習スタイルに加え、ブレーンストーミング、シミュレーション、ロールプレイ、 ランキングなどの様々な活動を通して、 学習者自身が、生き生きと主体的にそれぞれの問題を探求することが目指されます。 グローバル教育は、参加者一人ひとりの小さな「気づき」を大切に、「結果」にではなく「プロセス」に学ぶ教育なのです。

「社会参加」を目指す

これまでの教育は知識偏重の詰め込み主義教育としてたびたび批判されてきました。 知識を、いかに効率的に記憶していくかが重視されてきたと言ってもいいでしょう。 しかし、このように学習された表面的な知識が、「生きる力」や「現状を変える力」には結びついてこなかったことに大きな問題がありました。

グローバル教育は、公正な地球社会の実現のため、さまざまな問題を知識として理解するだけでなく、「社会参加」をする能力の育成を目標にしています。 今の自分に何ができるか、今をどう生きればよいのかということを自分自身に問いかけることを大切にしています。 何も行動しないことでさえ、地球の未来に大きな影響をあたえているということを、私たちは自覚する必要があるのです。 グローバル教育は、単なる知識の獲得にとどまらず、最終的には、自ら実践することを目指しています。

3.ハンベイ(R. G. Hanvey)、セルビー(D. Selby)他の見解をもとに、小関が整理したもの。ハンベイの以下の詳論は、 現在のグローバル教育論に最も影響を与えたといわれている。 また以下のセルビーの見解は、イギリスのワールド?スタディーズにも強く反映されている。 Hanvey, R. G. "An Attainable Glibal Perspective." In W.M. Kniep(ed.), Next Step in Global Education: A handbook for curriculum development. New York: American Forum, 1987, pp.83-109. : Pike, G. & Selby, D., Global Teacher, Global Learner. London: Hodder & Stoughton, 1988. (『地球市民を育む教育』中川喜. 代子監修、阿久澤真理子訳、明石書店、1997年、pp. 53-57)。

成長し変化する教育

「新しいパラダイムの教育」では、グローバル教育が、 「つながり」「ちがい」「未来」「プロセス」「社会参加」 をキーワードに、従来型の教育をのり越えようとする新しい教育であることを紹介しました。 ここでは、別の角度からグローバル教育の特徴にさらに言及し、もう少しグローバル教育の柔軟で多様なイメージに迫ってみることにしましょう。

グローバル教育の先駆者の一人であるリー?アンダーソン(L.Anderson)はかつて、 グローバル教育は「特定の体系だった内容や教科、原理のはっきりした教育の一領域ではない」と明言しました(4)。 つまり、グローバル教育とは、ある特定の研究テーマをもつ教育ではないということです。 たとえば人権教育であれば人権、環境教育であれば環境というように、中心となるテーマがはっきりた教育の領域と、同じように横並びにして比べられるようなものではないのです。

ではグローバル教育は、どのような内容を扱うのでしょうか。 この点に関しては、現代のグローバル教育をリードするデビット?セルビー(D. Selby)の定義がもっとも明快でしょう。 セルビーは、「グローバル教育は、教育のホリスティックなパラダイムである」と規定しています(5)。 つまり、グローバル教育とは、人権教育、環境教育、平和教育、開発教育など様々な教育領域を統合?包括した教育であると考えられているわけです。

【図3 グローバル教育のホリスティックモデル】
グローバル教育のホリスティックモデル

上記の図は、そのようなグローバル教育の特質を踏まえ、特に頻繁に取り上げられるテーマをもとに図式化したものです。 ただし、地球時代に必要なすべての領域がグローバル教育の構成要素になり得るということを忘れてはならないでしょう。 その意味で、図3のモデルはあくまでグローバル教育を構成する代表的な一部をとりあげたものにすぎません。

まとめ

ここで改めて確認しておきたいことは、グローバル教育が唯一の教育理念、内容、方法のもとに固定化されるものではないということです。 例えば、「新しいパラダイムの教育」で整理したグローバル教育の5つの特徴を思い出してください。 いずれもこの地球時代にふさわしい新たな教育を目指して、従来の教育を乗り越えるために掲げられたものでした。 しかし、それらもいつかは新しい特長に取って代わられる可能性があると考えるべきです。 グローバル教育とは、地球時代に地球市民として「生きる力」をはぐくむことを前提に、絶えず時代の要請にこたえ成長し変化していく教育なのです。

4.Anderson, L. F. "A Rationale for Global Education." In K. A. Tye (ed.), Global Education from Thought to Action. Alexandria, VA: Association for Supercvision and Curriculum Development, 1990, pp. 13-34.
5.セルビー「特集グローバル教育」『国際教育ジャーナル』No. 128、1997年7月、3面。